鋳物豆知識・用語集

Appendix

Tidbits

鋳物の豆知識

鋳物というのは、金属を溶かして型に流し込み 冷却して固めて作った物のことです。
これを鋳造品ともいいますが、私達の身近に非常に多くの鋳造品があります。
例えば、自動車や船舶などのエンジン部品、水道の蛇口、ポンプ、変わったところ ではゴルフのクラブなんかも鋳物です。

 
 

また、有名なところでは大仏さまがあります、けた外れのサイズですが「鋳物」にはちがいありません。
天平19年(742年)に始まった東大寺大仏の鋳造工事は13年の歳月と延べ260万人の労力を動員したと言われています。

 
 

Process

鋳物の製造工程

01.受注

例えば、パイプのような形状の鋳物(製品)を 製造するとします。

02.砂型作成

製品とそっくりに作った型(模型)を砂の中に 埋めて型を取ります。

03.中子造型

中に空洞がある鋳物を造る場合、空洞と同じ形に 作った型(中子)を使います。

04.湯口造形

模型を抜き中子をセットします。上下の砂型を 合わせて材料の注ぎ口(湯口)を作ります。

05.注湯

湯口から溶かした材料を流し込みます。

06.型ばらし・仕上げ

材料が冷えて固まったら、砂型を壊して鋳物を取り 出します。表面をきれいにして完成です。

 

History

鋳物の歴史

鋳物は金属を溶かして鋳型に流し込み、冷却・凝固させたものですから、その歴史は人類が金属を溶かす方法を知ったときから始まっています。
それは、およそBC4000年頃といわれています。

人間が金属を利用した最初の方法は打物でした。金や銀を打物にして装飾品を、銅を打物にして武器や農器具などを作ったのが始まりです。 その後、銅が溶けることを発見し、型を作って流し込む方法を知り、 初めて家庭用品や装飾品、葬祭用品など複雑な形状の鋳物が作られるようになりました。
この時の材質は銅とすずと鉛の合金。すなわち青銅でした。

 
BC3000 メソポタミア地方で製造が始まる
BC2000 メソポタミア地方から中国へ伝わる
殷王朝時代には精巧で巨大な容器がつくられた
BC1500 メソポタミア地方からヨーロッパへ伝わる
スペイン、スイス、ドイツ、イギリスなど、各国で刀剣、鉾、装飾品、容器、葬祭器具などがつくられた
AD600 インド・中国から日本に伝わる
各地で仏像がつくられる
 

Basic properties

銅合金鋳物の基本的性質

銅合金鋳物は下記のような性質を持っています。

 
 

Dissolving metals

金属の溶解

溶解炉は、熱源として燃料を使用する燃焼炉と電気を利用した誘導炉があります。

 

燃焼炉

重油炉やガス炉がよく使われますが、コークス炉なども使われています。 燃料名が、そのまま炉の名前になっています。
例えばガス炉といえば台所のガスコンロでお湯を沸かすイメージです。

誘導炉

溶かそうとする材料の銅は良く電気を通す導体です。この性質を利用し、 巨大なコイルの中に材料を入れて電磁誘導作用による渦電流で材料自体を 溶かすのが誘導炉です。台所の例で言えば電磁調理器のイメージです。

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